シンガポールのSAF税とは?航空券はいつから【2026年版】
シンガポール発の航空券には、2026年10月1日以降に購入し2027年1月1日以降に出発する便からSAF税(持続可能な航空燃料賦課金)が上乗せされます。行き先ごとに金額が決まっており、日本など北東アジア行きはエコノミーでS$2.80です。この記事では対象条件と金額、旅行者への影響を解説します。
SAF税とは何の税?
SAF税とは、シンガポール発着便に適用される「持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)賦課金」です。
シンガポール民間航空局(CAAS)は、出発する全便の燃料に占めるSAF比率を2026年に1%とする目標を掲げています。このSAF導入コストを航空券や貨物運賃に上乗せする形で回収するのがSAF税です。
対象は次の3つです。
- 旅客便のチケット(エコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネス・ファースト)
- 貨物便の輸送
- 自家用機・ビジネスジェットの運航
シンガポールはこの制度を導入する世界初の国です。訓練飛行や慈善・人道目的の飛行など、一部の便は対象外とされています。

シンガポール旅行の予算を考えるときは、罰金やマナーなど現地ルールの基本も合わせて押さえておくと安心です。シンガポールの罰金・ルールは何に注意?で詳しく解説しています。
いつ買った航空券から対象になる?
対象になるのは「2026年10月1日以降に購入し、2027年1月1日以降に出発する便」だけです。
購入日と出発日の組み合わせで課税の有無が変わります。CAASとMileLionが示す条件は次のとおりです。
| チケット購入日 | 出発日 | SAF税 |
|---|---|---|
| 2026年10月1日より前 | 2027年1月1日より前 | かからない |
| 2026年10月1日より前 | 2027年1月1日以降 | かからない |
| 2026年10月1日以降 | 2027年1月1日より前 | かからない |
| 2026年10月1日以降 | 2027年1月1日以降 | かかる |
出典: MileLion「Confirmed: Singapore to start collecting green fuel levy from October 2026」
つまり、2026年10月1日より前に航空券を購入しておけば、出発が2027年に入っていてもSAF税はかかりません。航空会社が販売するのは通常1年先までのチケットのため、早めに予約するほど回避できる可能性が高くなります。

シンガポール旅行のベストシーズンや航空券の値動きは季節によっても変わります。シンガポール旅行のベストシーズンはいつ?も参考にしてください。
行き先別にいくらかかる?
行き先は4つの地理バンドに分かれており、金額はバンドと座席クラスで決まります。
| バンド | 地域 | エコノミー/プレミアムエコノミー | ビジネス/ファースト |
|---|---|---|---|
| バンドI | 東南アジア | S$1.00 | S$4.00 |
| バンドII | 北東アジア・南アジア・オーストラリア・パプアニューギニア | S$2.80 | S$11.20 |
| バンドIII | アフリカ・中央/西アジア・欧州・中東・太平洋諸島・ニュージーランド | S$6.40 | S$25.60 |
| バンドIV | 米州 | S$10.40 | S$41.60 |
出典: CAAS「New Sustainable Aviation Fuel Levy to Apply From 1 April 2026…」
ビジネス・ファーストの賦課金は、同じバンドのエコノミー向け金額の4倍に設定されています。これは座席クラスごとの1人あたりCO2排出量の算定方法(IATAの計算基準)に基づいています。

なお、SAF比率の目標は2030年までに3〜5%へ引き上げられる予定で、その時点で賦課金も見直される見込みです。
日本行き・経由便はどうなる?
日本は「北東アジア」に分類されるバンドIIのため、東京行きはエコノミーでS$2.80、ビジネス以上でS$11.20です。
CAASは当初、経済クラスでバンコク行きS$3.00、東京行きS$6.00、ロンドン行きS$16.00程度と見積もっていました。しかしSAFの調達コストが想定より下がったため、確定額はバンコク行きS$1.00、東京行きS$2.80、ロンドン行きS$6.40に下がりました。

経由便については、シンガポール出発直後の「次の目的地」でバンドが判定されます。最終目的地ではない点に注意してください。
たとえば同じ米国行きでも、香港を経由するSIN-HKG-SFOはバンドII(北東アジア)判定でS$2.80〜S$11.20、直行のSIN-SFOはバンドIV(米州)判定でS$10.40〜S$41.60と、SAF税だけを見れば経由便のほうが安くなります。ただし空港税を含めた総額では経由による節約分が相殺されるケースもあるため、SAF税単体の比較で予約先を決めるのはおすすめできません。
また、シンガポールをトランジット(乗り継ぎ)するだけの乗客はSAF税の対象外です。

日本からの渡航者は、現地の日本食事情や生活コストも気になるところです。シンガポールで日本食は食べられる?もあわせてチェックしておくと出発前の準備がしやすくなります。
なぜ開始が延期された?
SAF税は当初、2026年4月1日から購入分に適用され、2026年10月1日出発分から課税される予定でした。
しかし中東情勢の緊張により原油価格が急騰したことを受け、CAASは開始時期を半年延期しました。結果として、徴収開始は2026年10月1日、対象となる出発は2027年1月1日以降にずれ込んでいます。
原油高が続く中でさらなる延期を期待する声もありましたが、旅客向けの賦課金についてはこれ以上の先送りはないとCAASが明言しています。一方、貨物向けの賦課金は1年間先送りされることになりました。
旅行予算にどう影響する?
SAF税そのものはエコノミーでS$1.00〜S$10.40と、旅行全体の予算への影響は限定的です。ただし航空会社が基本運賃を調整して一部を価格に転嫁する可能性があり、マイルなどの特典航空券では賦課金の全額が利用者負担になります。
さらにチャンギ空港は2027年4月以降、空港利用料・旅客サービス料の段階的な引き上げも予定しています。航空券まわりのコストは今後じわじわ上がっていく見通しです。
旅行全体の収支を考えるときは、現地の生活費相場も合わせて把握しておくと予算が立てやすくなります。シンガポールでの生活費はいくら?で単身・家族別のシミュレーションを紹介しています。
航空券が上がる分、現地での食費を抑えたいという人は、ホーカーセンターを活用するのも一つの方法です。シンガポールのホーカーセンターとは?で使い方を解説しています。
ナショナルデーの時期など混雑する繁忙期は航空券自体の価格も上がりやすいため、渡航時期の分散も検討したいところです。シンガポールのナショナルデーとは?で開催時期の目安を確認できます。

近隣国への日帰り・週末旅行を組み合わせれば、1回あたりの渡航コストを抑えることもできます。シンガポールから日帰り・週末旅行ができる場所まとめではジョホールバルやバタムなどの選択肢を紹介しています。
服装や持ち物の準備を早めに済ませておけば、航空券を早期購入してSAF税を回避する動きとも両立させやすくなります。7月のシンガポールは何を着る?も参考にしてください。
長期滞在や就労目的での渡航者にとっても、航空券まわりのコスト変化は無関係ではありません。シンガポールの就労ビザ(EP・Sパス)とは?では渡航準備全体の流れを解説しています。
よくある質問(FAQ)
SAF税はいつの航空券から対象になりますか?
2026年10月1日以降に購入し、2027年1月1日以降に出発する便が対象です。
日本行きはいくらかかりますか?
北東アジア扱いのためエコノミーでS$2.80、ビジネス以上でS$11.20です。
経由便でも課税されますか?
出発直後の目的地でバンドが判定されるため、経由地によって金額が変わります。
シンガポールを乗り継ぐだけの乗客も対象ですか?
シンガポールを経由するだけのトランジット乗客はSAF税の対象外です。
なぜ導入が延期されたのですか?
中東情勢による燃料価格高騰を受け、当初の2026年4月開始から半年延期されました。
貨物の運賃にも同じタイミングで課税されますか?
貨物向けの賦課金は1年間先送りされ、旅客より遅れて開始します。
まとめ
SAF税は、2026年10月1日以降に購入し2027年1月1日以降に出発する便から適用されます。金額は行き先の地理バンドと座席クラスで決まり、東南アジア行きエコノミーはS$1.00、日本など北東アジア行きはS$2.80です。シンガポールを経由するだけの乗客は対象外です。金額自体は小さいものの、航空券価格全体の値上がり傾向とあわせて、早めの予約と旅行全体の予算管理を心がけましょう。
画像クレジット
- 写真: Angelyn Sanjorjo / Pexels
- 写真: Garrison Gao / Pexels
- 写真: Afif Ramdhasuma / Pexels
- 写真: Max Zhang / Pexels